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第141話
温くしたシャワーでも身体中がヒリヒリと痛む。
だけど、嬉しい。
すげぇ、噛み痕ばっか
キスマークもやばいな…
目の前の鏡に写る自分の裸体はマーキングに塗れ、自分で見てもいやらしい。
噛み痕だけじゃなく内腿の際どい箇所さえもキスマークが彩り、服に隠れる部分は長岡の独占欲でいっぱいだ。
了承したのは自分自身。
されたいと思ったのも事実。
嬉しい。
たまらなく嬉しい。
恋人に耽ってばかりではいけないと、日中は綾登と過ごしたり勉強をしたりしているがそれでもふとした瞬間思い出してしまう。
…いや、違う。
何時も考えている。
ちゃんと寝ているか、食べているか、休めているか心配もある。
どうしたらあんなに知識を頭に入れられるんだろとか、何を読んだら良いかとか、長岡の事ばっかりだ。
目標であり、憧れの人だから。
頭から被るシャワーが顎のラインを伝い、床に落ちて排水溝へと流れていく。
長岡のにおいを消す事にはなるが汗でペタペタしているから致し方ない。
それに、会おうと思えば平日だって会える。
大学に進学して会う日はぐっと減ったが、長岡の部屋で会う機会は増えた。
あの長岡のにおいと本が沢山の部屋が好きだ。
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