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第144話
「美月ちゃん、和室の準備出来たけど他に出来る事ある?」
「玄関の掃除かな。
頼んでも良い?」
「勿論。
任せて。
美月ちゃんも休みながらしてね」
今日もイチャイチャする両親を横目に綾登の興味は長男のみ。
思春期の次男は、年相応の反応をする。
そして賑やかな家だと三条はにこにこした顔をする。
「うぶー」
「相変わらずやべぇ…」
「ははっ、仲が悪いよりは良いよ」
「まぁ、それは…」
顎をぺちぺちと叩く小さな手を掴み食べる真似をすると、嬉しそうに声を上げ手足を跳ねさせた。
本当に優登の血が濃い。
優登の小さな事によく似ている。
「綾登すげぇご機嫌。
兄ちゃんつぇー」
「優登に似たんだよなぁ」
背中を反らして嬉しがる弟に長男も嬉しそうににこにこと何時もの笑顔を深くした。
その顔は次男とも三男ともよく似ている。
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