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第212話
晩飯も食って皿洗いも終わって、恋人とゆっくりと動画配信サービスを利用してドラマを観る。
隣で同じ画面を眺める三条の楽しそうな横顔。
子供の様に無邪気だったり、時にドキッとする程真剣になったり、くるくると変わる表情がこんな近くで観られる事が嬉しい。
「猫可愛いですね」
「そこかよ」
「正宗さんっだって好きでしょう?」
「まぁな。
でも、遥登みてると犬も良いよな」
少し目を大きく開くとすぐにふにゃふにゃと笑う。
また何時もの甘やかしだと分かった顔だ。
「ほら、そういう顔する。
だから良いんだよな」
可愛い可愛いと猫可愛がりするが、隣にいるのは大切な恋人。
尊敬するところも沢山ある。
「俺の1番は遥登だけどな」
「…また、そんな事言って」
照れた三条に表情筋が緩みっぱなしだ。
なんでこの子の隣はこんなにしあわせで溢れているんだろう。
「本当の事だし」
そんな恋人を見る事が目の保養。
心の休息。
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