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第236話
「俺はー、これ」
「良いよ。
この前奢って貰ったらお返しな」
「やり!
三条ありがとー」
ICカードを翳してペットボトルを購入した。
一々小銭を取り出さなくて便利だ。
繁華街の方はそんな自販機ばかりだが、いまだ三条や田上の住むお世辞にも都会とは言えない地域ではそうではない自販機も多くある。
「んじゃ、俺帰るな」
「あれ?
次は?」
「休講。
本屋行きてぇし丁度良かった。
電車もそろそろだし、じゃあな」
今買ったばかりのペットボトルを手に今来た道を戻る友人。
じゃあなんで飲み物を買いに…なんて野暮だ。
「気を付けてな」
「おう。
またな!」
同じ大学と言っても学部が違って中々会えない。
それに加え興味がある講義や今の内にとっておける講義をとったら、あまり田上と一緒にいる時間がとれていない。
だからこそ、一緒に居れる時はそれを大切にしてくれる友人の背中を見送った。
改めて友達になれて良かったと思う。
自慢の友人だ。
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