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第238話

電車の中で吉田と未知子ちゃんと合流し数駅先の繁華街へと向かう。 駅裏の本屋にいた田上とはそこで合流する事になっていた。 私服の未知子ちゃんはなんだか見慣れない。 だけど、化粧をしていても高校生の時と変わらず明るく笑っている。 「三条くん、また身長伸びた?」 「高校の時とそんなに変わってないよ」 「羨まし…」 ぽつりと吉田が言ちた。 この身長ならこの身長なりに悩みがある。 そりゃもう沢山。 量販店の物では服の腕や脚の長さが足りない。 サイズが大きくなれば横幅も大きくなるが細い三条にはぶかぶかになる。 選ぶより着れる物を購入するといった感じだ。 三条より高い長岡は海外輸入の方がサイズも種類も豊富にあって良いと言う。 確かに海外ブランド品はサイズもあるが、輸入分が上乗せられ少し値段が上がってしまうのがネック。 「便利な時もあるけど、良い事ばかりじゃないよ、おっ」 「わっ」 ガン…ッ 「ぃ"…っ」 「三条くん、大丈夫っ」 「…やっぱ羨ましくねぇな」 頭部がパイプに思いっきり当たり、辺りに鈍い音が響いた。 数人の乗客は音の出先を見る。 少し遅れて大きな揺れにご注意くださいとアナウンスが入った。 駅で待っていた田上はその話を聞いてツボに入っているし、良い事ばかりじゃない。

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