240 / 1502
第240話
「美味しー」
「モチモチだね」
「…甘ぇ」
「んとだ、あま」
だけど、タピオカはもちもちで美味しい。
コンビニやスーパーで販売してる蒟蒻のタピオカも美味しいが、これもまた美味しい。
「そんな甘いの?」
「うん。
一口い……」
知佳ちゃんの質問に吉田は友達に返す様に答え、固まった。
三条、田上、未知子ちゃんも吉田を見た。
一口いる?
そう言うつもりだったのは3人共気付いたし、知佳ちゃんもえ?っと顔をした。
「あ、ごめん…っ。
変な意味じゃなくて、三条達と何時も回し飲みするから…つい…」
「うん。
私も未知子と交換したりするし、間違えちゃうよね」
三条、田上、未知子ちゃんはお互いアイコンタクトを交わす。
付き合う前の両想い期間にきゅんきゅんするのは解る。
だけど、これはその2歩も3歩も前。
というか、知佳ちゃんは吉田に恋愛感情は抱いてないだろう。
もう少し進歩が欲しい様な、このままを見ていたい様な。
「三条、一口交換しようぜ」
「田上のカルピス?」
「そ。
三条のも一口」
交換して飲む2人の隣で、未知子ちゃんと知佳ちゃんも交換していた。
ぽつん…と佇む吉田は上の空でやってしまったと反省している。
ともだちにシェアしよう!