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第244話

綾登のスタイが涎まみれになっている。 それに気が付いた優登は綾登の頭を撫でる。 「綾登、ベトベトだな。 新しいのと交換しようか」 大人しく交換されるのを待つ末っ子の視線の先には長男がいた。 手を伸ばし喃語の様なものを喋ると小さな指を口に運ぶ。 新生児からイメージする赤ちゃんに成長した綾登。 むちむちの肉付きにさらさらした髪の毛、くりくりの目がたまらなく可愛い。 しかも優登に似ている。 それに気が付いた長男がヒラヒラと手を振ると嬉しそうに笑った。 「これにしようか」 綾登の洋服やタオルが詰まったカゴケースの中から新しい物を取り綾登を膝に乗せた。 「これも似合うな。 格好良いぞ」 「ぅー」 涎でベトベトになった手を次男の服に擦り付ける三男は、ありがとうとでも言いたいのかにこーっと笑顔を向けた。 「綾登、俺の服で拭くなよ…」 「ぶー」

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