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第245話

朝から大好きな兄達と過ごしてた綾登は漸く昼寝をはじめた。 沢山遊んでミルクも飲んでお腹いっぱいになり長男の抱っこで夢の中。 少しの間なら自力で座れる様になり出来る事がぐんぐんと増えた可愛い弟。 その隣には優登。 勉強道具を机に広げたまま昼寝をしている。 そっくりの寝顔を見ながら三条は欠伸をした。 俺も寝ようかな だけど抱っこで寝ている綾登を床に寝かせると起きてグズる。 背中にスイッチでもついているのだろうか。 「遥登、何か飲む?」 「じゃあ、麦茶のおかわり頂戴」 お昼を過ぎ風が強くなってきた。 ニュース番組では強風の中キャスターが外で中継をしている。 仕事だろうと命を大切にして欲しい。 危険だと言うなら室内にいれば良い。 危険なのは小学生だって分かる事だ。 和室から顔を出した父は寝ている優登を見て落胆した。 「あ、優登寝てるのか。 一緒にゲームしようと思ったんだけど」 「俺が相手しようか」 「遥登は手加減してくれないだろ。 優登は接待が上手いからな」 「ははっ、父さん接待されてんだ」 綾登を起こさない様に声を潜めて話していると、麦茶のおかわりと剥いた梨を持って母親が戻ってきた。 「優登は接待上手いぞ。 父さんに似たんだな」 母の顔を見て嬉しそうにする父に、恋人に会いたくなってしまった。

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