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第248話

結局日曜も長岡の部屋に行く事はなかった。 すぐ近くの大きな川が氾濫しそうだ。 危険水位を越しそうだ。 そんな防災無線に昼寝を邪魔された綾登はずぐずぐとご機嫌斜めだったが、三条の住んでいる地区では結果として大きな被害もなく済んだしあれはあれで綾登が可愛いかったからまぁ良しだ。 綾登がいたから氾濫せず持ちこたえてくれたのはとても幸運だった。 「おはようございます」 「はよ」 ずっと恋しかった恋人が微笑み出迎えてくれる。 そして、すぐに抱き締められた。 洗剤のにおいが濃くするのは洗濯中だからだろうか。 なんだか、すごく久し振りな気がする。 それだけ恋しかったんだ。 「あったけぇ」 「今日冷えますね」 「ん、湯たんぽ」 外を歩いてきたから表面は冷たいだろうと思ったが長岡はぎゅぅぎゅぅと抱き締める。 長岡の体温に包まれてすごくしあわせだ。 「正宗さんもあったかいです」 「沢山着てるからな。 今日の昼飯はあったかいの食おうな」 何時もの屈託のない笑顔で頷く三条に長岡も優しい顔を見せた。 顔を見ながらの通話も、電話も、メッセージのやり取りと嬉しいがやっぱり会うのが1番嬉しい。 しあわせが溢れ出る。 「まずは何飲みてぇ?」 「正宗さんと同じのが良いです」 「じゃ、あったかいコーヒーにしようか。 遥登のは氷入れてやる」 動いてくれたバスに感謝し長岡との逢瀬を堪能する。

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