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第255話
三条の通う大学で、学園祭が開催された。
本当なら長岡の部屋でゆっくりしている筈の休日なのに。
先週は台風で外泊出来ず会えたのも月曜だけ。
漸くゆっくり出来る筈が。
三条とは真逆に、流行りもののドリンクや食事、ミスコン、ミスターコン、サークルの催しと楽しそうな空気が大学内を包む。
来賓も多いのだが、これだけの人が入れ替わり立ち替わりにこの敷地内で何時も学んだいるのだと思うとそれにも呆気にとられてしまう。
すげぇ人混み…
酔いそ、
特別する事もないし抜け出よう。
長岡に毒された優等生は人の波を掻き分け北門に身体の向きを変えた。
その時だった。
誰かとぶつかった。
「あ、すみませ…」
違う。
これは、ぶつかったんじゃない。
だって知ってる。
このにおいと、
手の甲にそれをぶつける人は…
「こんにちは、三条」
「せんせ…」
この人しか知らない。
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