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第268話
骨ばった肩に額をのせ、肩で息をする長岡から良いにおいがする。
はぁ…と吐かれた快感混じりの吐息。
そして残滓を搾り取る様な手に、ぶるっと身体が震えた。
長岡は自分の色気の度合いを理解していない。
「気持ちかった」
「…ん」
口を覆っていた手を離すよう言われ開放すると、楽になった口を吸われた。
「帰り、部屋寄るか?」
「…お邪魔、します」
「待ってる」
長岡は持っていたティッシュを便器に捨て、更に新しく巻き取ったティッシュで後処理をしていく。
陰茎に塗れる精液とローションを拭い、汚れたそれを流した。
2人のものが流れていく。
ほんの少し物足りない。
「正宗さん、」
「ん?」
ベルトを締め直そうとしている長岡の唇の端に自分のそれをくっ付ける。
もう背伸びの必要はなくなった。
唇の端なら、そんなに緊張もしない。
「……もっと、キスしたいです」
「しようか」
長岡は、拭いたとはいえ精液が付いた手で三条に触れる事に躊躇していたがそっと顎を持ち上げ物欲しげに薄く開いた唇を貪った。
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