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第274話
きのこと豚肉、おひたし用の葉物を見繕い後は牛乳が欲しいらしい。
先を歩く優登はその前にアイスコーナーを覗く。
「アイス食うか?」
「んー…、あんまんが良い」
「寒いか?
早く帰ろうな」
手が冷たい。
出来ればあたたかいものが良いが、風呂上がり食べるアイスにも心引かれる。
あ、でも
牛乳売り場へすたすたと歩く背中を追い掛けた。
細くて大きくて大好きな兄。
俺も細いけど、兄ちゃんに似てるなら嫌じゃない。
兄ちゃんは俺のお手本だし目標だし。
服で隠した細い腕をつついた。
「ね、帰ったらゲームしよ」
「ん、良いよ。
しような」
「じゃ、お菓子も良い?」
「良いよ。
手ぇ汚れないのが良いな」
兄ちゃんと遊べる方なら一緒に食べられるお菓子が良い。
待っててとお菓子コーナーに行くが、やっぱり手が汚れるお菓子の方が美味い。
ポテトチップス食べたいけど個包装のお菓子が良いか迷う。
甘いのも美味いけどしょっぱいのも美味いしなぁ
その隣の一口サイズのゼリーも美味しそうだし、後ろの煎餅も美味そう。
兄が呼びに来るまで優登はうんうんと頭を悩ませていた。
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