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第275話
帰り道、コンビニに寄り道をした。
生鮮食品があるから早く帰らなければだが、約束したあんまんは絶対だ。
袋の中から今しがた買った物を手渡すと、弟は嬉しそうに頬を緩めた。
この顔可愛いんだよなぁ
つい甘やかしてしまう
「やった!
いただきます」
「いただきます」
熱々のあんまんは兄弟2人共すぐには食べられない。
少し冷ましてから、ぱくっと頬張る。
「んーまっ」
「美味いな」
そっくりの顔で美味いと言うところまで似ている。
優登の嬉しそうな顔も見れるし、腹も満たされる。
一緒に買った烏龍茶の口を開けてボトルホルダーに置くとすぐに優登の手が伸びてきた。
「ちょーだい」
優登と2人だけで過ごすのは凄く久し振りな気がするのは、末弟が生まれたからだ。
今は3人。
何時かここに綾登も入る。
3人であんまんを食べてゲームをして。
あぁ、楽しみだ。
でも、今の小さい綾登も可愛いからゆっくりと大きくなってくれ。
「俺見てないで食べなよ。
冷めるよ?」
「冷めた方が食いやすいだろ」
「それもそうか」
随分と大きくなった弟は、小さな頃と変わらない顔で笑ってくれた。
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