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第277話

今日は、長岡の勤務する高校の文化祭。 ワイワイと楽しそうな声が廊下から聞こえてくる。 先週は遥登で、今週は俺かよ 分かってたけどめんどくせぇな… クラスの受け持ちも、部活の催しもない長岡は準備室で仕事を片付けていた。 教師だって授業を行う以外にも仕事がある。 雑務の方が自分のペースで進める事が出来て気が楽だ。 スーツのポケットの中には、前売り券。 前売り券だけは交換しないと計算が合わなくなってしまうから気を付けて、後は仕事でもしていよう。 頭の片隅にチラチラと三条が浮かぶ。 穏やかに自分の名前を呼んでくれる恋人。 人懐っこく尻尾を振る姿。 はぁぁ… 次の連休はしこたま抱こう… やましい願望は頑張る気力。 サイズの合わない机に向かい、胸ポケットからとった手に馴染んだボールペンをノックした。

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