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第292話
「本当にこんなんで良いのか?」
「こんなんじゃないです。
これが良いんです」
にこにこと嬉しそうな顔をする三条の隣で作る昼飯はオムソバ。
ケチャップとマヨネーズをかけたオムソバを食べて一緒に寝たいと言うと、長岡は綺麗に整えられた眉を八の字にして笑った。
だけど、一緒に飯を食べて寝る事はしあわせだと知っている長岡は同時にそうしようなと頭を撫でてくれた。
「本当にたまご好きだな」
「正宗さんの焼き加減が抜群なんですよ。
あとケチャップが好きなんです」
「あぁ、そう言えば目玉焼きもケチャップだよな」
焼き立ての目玉焼きなら塩胡椒だけも上手いが、ケチャップは冷めても美味しく食べられる。
フライドポテトもそうだ。
そんな話をしながら長岡は薄焼きたまごで器用に焼きそばを包むと大きな方を三条の分にした。
当たり前の事の様に自分を優先してくれる恋人。
やっぱり大人で格好良いなと思う。
それもそうか。
なんせ、目標だからな。
「スープはインスタントで悪りぃな」
「これ美味しいから好きです」
「そりゃ良かった」
さっきまでのいやらしさとは真逆の顔で2人は昼飯を準備した。
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