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第294話

一緒に寝ると言ったが少しだけ仕事を片付けたい。 少しだけ手を付けてキリが良いところで約束通り昼寝だ。 そっとベッドを抜け出て床に足を付けるとひんやりとしている。 丸くなって毛布に埋もれる三条を振り返り、あたたかそうなのを確認してから寝室を出た。 あたたかなお茶を片手にノートにマーカーラインやペンを走らせ、古典と本と恋人の事でいっぱいの頭にどんどん詰め込んでいく。 目標だと言って貰ってから背筋が伸びた。 真っ直ぐ、愚直に古典と向き合う。 ただ古典が好きだとロマンだと思い、それから離れられなかった長岡にとって三条の言葉は光だ。 あたたかく明るく、そして眩しい存在。 三条が傍に居てくれれば道を誤る事はない。 教師の仕事もそうだ。 三条が自分から何かを吸収し、なりたいと言ってくれた事がとても大きい。 同じ職業に就いたら時に恥ずかしくない様にいたい。 もっと頼って貰える様にいたい。 頑張る事なんて当たり前だ。 生徒達は当たり前に頑張っているのだから、教師の自分がダラけていては恥ずかしい。 ふと表情を崩た。

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