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第295話

ある程度仕事を片付けると約束通り三条の隣で昼寝をする。 恋人がいるのに寝て過ごすなんて贅沢だと思えたのは数分で、傍らから聴こえてくる気持ち良さそうな寝息に長岡もすぐに夢の中へと沈んでいった。 それが、時計が2周するより少し前の事。 縮こまった筋肉を伸ばしながら、長岡は目を覚ました。 そして、傍らの子供体温を覗き込む。 ほんとガチ寝だな 小さく丸くなり器用に毛布に埋もれる姿から180代後半の大きさは想像もつかない。 寝る子は育つって言うけど 疲れてんだな 気持ち良さそうに寝ていて起こすのは忍びないし、そもそも今日も泊まる気でいるのなら夜更かしをしても良いだろう。 目にかかる髪をかき上げながら三条の顔にそっと近付くと、ガリガリの身体の中で唯一やわらかな唇をそっと奪った。 触れ合わせる位じゃ起きない。 やわらかさを味わう様に食むも全く起きない。 爆睡 …んじゃ、もっと 何度キスしても起きない。 珍しいと思いつつも何度もそのやらわかさを堪能する。 舌先でゆっくりと唇をなぞると、眉間にシワを寄せたがそれだけ。 これはこれで可愛いが、やっぱり起きている時が1番だ。 頭を枕に戻し、スマホに手を伸ばした。 空気が入ってきて寒かったのか傍らにあった筈の体温が脇腹にくっ付いた。 緩む頬もそのままだらしない顔をする。 学校でみせる隙のない真面目な教師の顔は何処へいったのか。

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