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第331話

ごろんとベッドに寝転ぶとスマホに手を伸ばした。 今日は重い物ばかりを運んで腰が痛い。 でも、頑張る理由があるから頑張れる。 頑張る。 スイスイと画面を撫でながらぼーっと画面を眺め、ふとその手を止めた。 正宗さん、なにしてるかな 土日もバイトを詰め込み、会えない寂しさを紛らわせる様に働いていた。 でも、ふとした瞬間、長岡の笑顔が頭に浮かぶ。 低くて落ち着く声が優しく自分の名前を呼んで抱き締めてくれる。 良いにおいに包まれるとただしあわせだと実感するんだ。 今までだってテスト期間中は会えなかった……って、学校では会えてたな… 高校時代はそれこそ毎日会っていた。 平日は担任と教え子、休日は恋人として毎日顔を見ていて、会えなかったのは長期休業中とテスト期間中の休日位。 先日一緒に夕食を食べたがほんの僅かな時間に思えた。 それ程恋人に餓えている。 長岡も恋人に滅法甘く溺愛しているが、それは三条も同じ。 きちんと好き合っている。 会えなくて寂しいとも思うし恋しくなる。 女々しいと思いつつも、長岡もそうだと良いな思う。 勉強机の上には飴玉の入っていた空瓶が並んでいる。 その数だけ一緒に時間を過ごしてきた。 三条は少し考えてから通話アプリを開きメッセージを送った。

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