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第332話

2人で寝るには決して広くはないベッドだが、くっ付いて寝るには丁度良い。 長岡は持ってきた本にスピンを挟むとふとんに潜り込んだ。 子猫の様にふわふわの手触りの毛布を買ってからそれにくるまり寝るのが楽しみになった。 三条もこの毛布をいたく気に入っている。 と、言ってもやっぱり子供体温が恋しい。 あれは冬の楽しみの1つだ。 ごろんと寝返りを打ち、外泊日なら恋人が眠る場所に触れるも冷たいだけ。 そもそも今日は平日だ。 枕代わりにしてるクッションに顔を埋めると清潔なにおいがした。 遥登もなんだかんだ大学にバイトにで忙しそうだしな 自分が使う分を自分が稼ぐのは良い事だ。 だけど、三条はそれを人の為に使う。 それだって、決して悪い事ではない。 悪い事ではないが、自分に使う位なら友人と遊ぶ時に使って欲しいと思う。 頑張ったのは三条本人なんだから。 「あ"ー…」 思わず口から衝いた溜め息に、長岡はスマホを手繰り寄せフォルダを開いた。 隣で気持ち良さそうに眠る三条の動画を眺め、三条に負けず稼ぐぞと、そして会ったら心ゆくまで堪能すると心に決める。 抱き潰してぇ…

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