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第335話
今年も暖冬らしく、チラチラと雪は降るが積もらない。
綾登に綺麗な物を沢山見せたいが天気ばかりはどうしてみようもない。
そのお陰で楽を出来てる人もいるし。
雪も花も、空も月も美しい。
名前の通り美しい物を伸ばして欲しい。
そう思うのはエゴだろうか。
あたたかなリビングで喃語を話している綾登に可愛らしくラッピングされたプレゼントを見せると、くりくりした目がリボンを捉えた。
小さな指がそれをつつく。
「綾登、クリスマスプレゼントだよ。
イブだけどメリークリスマス」
「うあー」
包装を綺麗に解くと、綾登が何時も遊ぶ場所に手触りの良いブランケットを敷いた。
興味津々の弟はそれに触れると、ふとんだと分かったのか寝転んだ。
「気持ちいか」
「あっ!あっ!」
頭をこつんとぶつけてきた横を見ると、足を掴みながらきゃっきゃっと笑う綾登。
汚したって構わない。
綾登が笑ってくれればそれが1番だ。
「ごろんすんのか。
俺もしよー」
まだミルクのにおいのする末っ子の隣に転がり、一緒に天井を眺める。
「バイト頑張って良かったー」
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