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第337話
今日はクリスマスだ。
しかも集中講義も昼で帰れる。
北門から急いでバス停に向かうと、丁度良くやって来たバスに揺られ、繁華街まで出る事にした。
みっちりとバイトをこなしその間に長岡と会えたのは僅かな時間だけだったが、それも昨日までの話。
今日は長岡と一緒に過ごす約束をした。
一緒に飯を食べてゆっくりと過ごす。
そう約束をした日。
近くのスーパーで買い物をするには少し時間があるから、バスに乗って先ずは洋菓子店に向かう。
辺りはカップルが多いが三条の頭の中にはあの笑顔しかない。
大学からだと数十分の街までの道程、見上げた空は鈍い色をしているが胸は弾む。
バイト代も結構貰えたし、ケーキ位奮発したいんだよな
普段、贅沢な事はあまりしないんだからたまには良いだろう。
だけど、自分にお金を使わせる事を長岡は気にする。
手土産の飲み物やアイス、長岡が不在時の少しばかりの買い物は三条が負担するが、比率が違い過ぎる。
せめてケーキは長岡の好きそうな物を買おうと思うが、眉を下げ困った様に笑うんだろうなと簡単に予想がつく。
そんな姿も格好良いがやっぱり笑って欲しい。
一緒に飯を食べて、ケーキを食べて、テレビを観て笑ったり。
隣にいたい。
今日は、隣にいられる。
なんてしあわせな日なんだ。
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