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第342話

あんなにあった料理は綺麗に平らげられ米粒1つまできっちりと腹に納めた。 どの料理も本当に美味かった。 そして、その料理の代わりに今はケーキとコーヒーが卓上に並ぶ。 先に食わなきゃ手を付けない三条を目の前に早速ケーキを口に運んだ。 「うめぇ」 「良かったです」 「俺の事見てねぇで遥登も早く食え。 ほら、あーん」 にこにことした顔で見届け良かったと笑顔を深くした恋人の前に一口分掬って差し出した。 まだ照れが残っているのは意識してくれているから。 それ事態嬉しいし可愛いから敢えて指摘はしない。 「いただきます」 「美味いな」 「ん」 もぐもぐと口を動かしながらしっかりと頷く。 クリームチーズの味を生かした味はしっかりとチーズの味を伝えながらもクド過ぎず重過ぎず、濃厚で美味い。 三条も自分の分にフォークを突き刺した。 美味しい美味しいと幸せそうな顔で頬袋を膨らませる恋人。 なんてしあわせな光景だろう。 「遥登」 「はい?」 「今日はありがとな。 料理もすげぇ美味かったし、一緒に過ごせて嬉しい」 「俺も一緒にいられて嬉しいです」 優しい恋人は何時も自分を甘やかしてくれる。 あの日の自分に教えてやりたい。 クリスマスが──毎日が最高の日になるんだと。 「ほら、口開けな。 あーん」 「え、正宗さんの分が」 最高の笑顔が見られるんだと。

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