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第388話
「おはようございます」
小さな声で声をかけるが長岡は夢の中。
「起こしましたよ」
本当に寝ている事を確認すると三条は胸に顔を埋めた。
香水も付けていない今は長岡のにおいしかしない。
長岡のにおいが好きで体温も心音も解るこの時が好きなのだが、本人が起きている時は恥ずかしくてくっ付けない。
今のうちに沢山堪能しておきたい。
すり…と頬擦りして甘える。
「正宗さん、好きです」
ちゅっと顎にキスをする三条の満足そうな顔。
長岡が見たらどれ程喜ぶだろうか三条は知らない。
ふにゃふにゃとご満悦の三条。
もう1度唇を近付けた時、右腕が腰を撫でる。
「ん"ー…」
鈍い声に動きを止めるとパンツの中に大きな手が入ってきた。
その手の冷たさに肩を跳ねさせるも、声だけは飲み込んだ。
再度聴こえてくる気持ち良さそうな寝息。
寝心地の良い場所を探し動いただけ。
正宗さん、手冷たい…
だからパンツの中に手入ってたのか
冬場に時々みられる長岡の行為。
最初は羞恥心を煽ってるのかと思ったが、ただあたたかな体温を求めての行為だった様だ。
そっか
正宗さん、体温低いもんな
背中に手を回してよりくっ付く。
子供体温だ湯たんぽだと言われる体温なら少しはあたためられるだろうか。
毛布には敵わないが少しでもあたためられたら良いなと思う。
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