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第394話

キスを繰り返しながらゆっくりと押し倒した。 三条の視界には真っ白い天井と男くさい恋人だけ。 「っ…」 「遥登」 「は、い」 「んな緊張すんな。 嫌ならしねぇよ」 「いや、じゃないです」 真っ直ぐな目に好色の色が見える。 品行方正な三条も男。 セックスも好奇心と持ち前の学習能力の高さでどんどんいやらしさを増していく。 頭が良いとセックスに嵌まりやすいというが、三条も長岡もまた然り。 今日は時間も早いし、鱈腹飯を食った後でもない。 イチャイチャと甘やかしながらとろっとろにするのも良いなと考えながら、首筋を舐めていく。 「ぁ…っ」 身体中舐めてキスマークを着けて噛んでめちゃくちゃにするのも良いな。 そんな事を考えていると、図上からあたたかくてやわらかな物が米神に触れた。 「正宗さん」 優しさと慈愛に満ちた目。 澄んでいてとても綺麗だ。 あの日の色が滲んでいても、汚れを知らない。 「く、口にも…」 やっぱり今日は甘やかす事に決めた。 緩む口角を抑える事もせずに、その唇を三条のものにくっ付けた。 触れ合う箇所からしあわせが流れ込んでくる。 三条の隣は心地良い。 ぺろりと唇を舐めると薄く招かれた唇の間に舌を入れた。 舌を甘く噛み、唾液を飲ませ、それでも足りず深く貪る。 「……、ん…ン"」 鼻にかかった恥ずかしそうな声も、服を掴む指も、俺だけのものだ。 そんな三条は唇同士を繋ぐ糸に照れている。 何回キスしても恥ずかしがるのが好きだ。 なんて言うか、いじめたくなる。 今日はしねぇけどな。 「今日はひたすら甘やかしてやる」

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