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第395話

「ひ、ぅ……」 身体を舐めながら服を捲り上げた。 薄い腹、肋の浮いた胸、小さな乳首。 どれも同じ男のものなのに興奮する。 自分の身体となんら変わりはしない筈なのに不思議だ。 だって、自分の身体には欲情しない。 恋人だから興奮する。 この身体だから。 そう思うと一層愛おしい。 「い"っ」 乳首に犬歯をたてると鈍い声が聴こえたが、目は蕩けたまま。 とろんとしていて痛いだけじゃないと分かる。 そりゃそうだ。 俺の恋人は少し痛いのが好きだからな。 赤くなった箇所を舐めると、んん…っと甘い声を漏らすし最高に可愛い。 「真っ赤になった。 見えるか」 頭を横に振る三条に小首を傾げてみせると意地が悪いと眉が下がる。 「意地の悪い俺は嫌いか?」 「…………愚問です」 「そうか。 良かった」 ちゅっ、ちゅっと胸にキスマークを付けながら手は下へと伸ばす。 骨ばった身体で唯一やわらかなソコをパンツの上から優しく擦ると、真っ赤な顔を腕で覆い隠してしまった。 無防備になってんの気付いてねぇのか? 「あっ! どこっ、舐めて…」 「脇。 あ、感じちまう?」 「…っ!!」 喉の奥で笑うと日焼けを知らない腹も赤くなる。 それだけで三条の羞恥は解るが、なにせこの反応が見たくてしている。 想像通りの反応にご満悦の長岡はまた薄い胸を舐めて吸ってマーキングを施していった。 世話しなく上下する胸から心音が伝わってくる。 一々、長岡のツボを突く行動に加虐心が煽られるが、今日は優しくすると決めた。 気持ち良すぎて泣くくらいまでイかせたい。

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