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第396話

一通り舐め顔を上げる頃には、すっかりスイッチが入っていた。 今更ここでやめられても三条自身困るのは目に見えている。 股間も既に半分程芯を持っている。 若い身体は正直だ。 この部屋で自らの手で処理をしても物足りないのは、これまでの経験で解っている筈。 それに、真面目といってもいやらしい事に興味津々の男子大学生。 まだまだ精力は衰えを知らない。 三条が準備をしている最中に用意しておいた物に手を伸ばすと見た事のないローションボトルに三条の目が一瞬大きくなった。 「遥登、これ温感ローションな」 「温感…?」 目の前に翳すと恥ずかしそうに視線を寄越してきた。 そして、三条の好奇心が姿を見せる。 「ほら、冷たくねぇだろ」 手のひらに少し垂らすと、冷たくない…と言りながら、指先でそれを混ぜ濃度を確認したり宛ら実験前の子供の様だ。 「ほんのりあったかいです」 「粘度はあんまねぇけどな。 たまには良いだろ」 あたたかい手ごと局部に持っていき、ローションを塗り付ける様に動かす。 まるで自分で準備をしているかの様な格好に全身に力が入ったのがわかったがやめはしない。 この為の道具だろ。 「…っ」 「におい付きとか味付きとか、人間はえろい事に貪欲だよな」 丁字油はまだ解るが、トロロアオイの根を粉末にしたり、卵白に葛粉やフノリを加えたりケツでのセックスを味わっていた。 そこまでしてもセックスをしたかったんだ。 人間らしくて、そして動物的で嫌いではない。

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