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第398話

「遥登、自分で脚抱えられるか」 「……は、い」 そんな格好恥ずかしい。 だけど、喉から絞り出された声は“はい”だった。 震える手を膝裏に回しきゅっと目を瞑る。 「ケツ用も足すから少し冷てぇぞ」 「んん…っ」 ひんやりとしたものが会陰から後孔へと垂れていくのが分かる。 そして、穴がそれを飲み込みたいとヒク付く。 欲に貪欲な、はしたない姿を見られている。 恋人に全てを見られている。 見てもらってる。 陰茎がピクッと頭を揺らした。 「そのまま期待してろ」 後孔の縁をゆっくりとなぞる冷たい指。 まるで馴染ませる様に焦れったい位ゆっくりゆっくりと。 「ぁ…ァ…、ッ……ぅ」 それだけなのに声が出てしまう。 排泄器が性器に変わっていく。 なんで多くの人間はアナルでセックスをしないんだろうと思う程、気持ちが良くてしあわせになる。 「やっぱ、専用ってだけあって特化してるよな。 滑りが良いから生々しくはねぇけど」 腹が、寂しい。 「まさ、むねさ…」 「もう欲しい?」 「…くださ、ぃッ……あっ、あ、」 アナル用の潤滑油の滑りは偉大だ。 ぬぷぷ…っと簡単に2本の指が埋め込まれてしまう。 準備中の後孔は、長岡の指をつぶさに感じとり太さや温度を頭へと伝える。 恋人の指だと喜ぶ身体を抑える事など出来やしない。 「温感ローションも足すな。 はい、お口あーん」 「まッ……ぁ"ァ"…ひ…ハァ……ぁ」 アナルの中で指を拡げられた三条は最後まで言葉を紡げなかった。 だけど、長岡の顔を見れば伝わっている事は解る。 そして、わざと羞恥心を煽っていると。 サディスティックに微笑む恋人の格好良さに胸が苦しい。 補食されたい。 残さず食われたい。 長岡の血肉になりたい。 おかしな事を本気で考えてしまう。 「ケツん中の方が体温高そうだな。 あったけぇか」 「ん…、ん……」 「はるちゃん、感想は?」 「わ……かんな…ハァ、ァ…あたま…くらくらする」 「可愛い返事だ」 こんな時に頬に可愛いキスをする長岡の方が可愛い。

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