417 / 1502

第417話

まだ夢の中の可愛い恋人。 丸くなって器用に毛布に顔を埋めている。 いつ見ても良い目覚めだ。 頬を指の背で撫でると擽ったいのか口角がより上がった。 うはっ、かわい 沸き上がる悪戯心。 起こすのは忍びないので、起こさない様にギリギリを攻めていく。 ちゅぅっと髪の上から額に口付けるも起きる気配はない。 本当に楽しくなってきた。 次は目蓋。 鼻。 薄く開いた唇をぺろりと舐めても起きない。 熟睡している。 「遥登、愛してる」 前髪を弄りながら呟いた言葉はしっかりと三条の耳に届く。 「起きたらまた言うからな」 ふとんをしっかり肩まで引き上げ抱き締める。 もう少し寝るか。 「遥登も言ってくれよ」

ともだちにシェアしよう!