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第417話
まだ夢の中の可愛い恋人。
丸くなって器用に毛布に顔を埋めている。
いつ見ても良い目覚めだ。
頬を指の背で撫でると擽ったいのか口角がより上がった。
うはっ、かわい
沸き上がる悪戯心。
起こすのは忍びないので、起こさない様にギリギリを攻めていく。
ちゅぅっと髪の上から額に口付けるも起きる気配はない。
本当に楽しくなってきた。
次は目蓋。
鼻。
薄く開いた唇をぺろりと舐めても起きない。
熟睡している。
「遥登、愛してる」
前髪を弄りながら呟いた言葉はしっかりと三条の耳に届く。
「起きたらまた言うからな」
ふとんをしっかり肩まで引き上げ抱き締める。
もう少し寝るか。
「遥登も言ってくれよ」
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