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第430話

長い脚を跨いでいると、あやすように背中をぽんぽんと擦ってくれていた手がするすると下へ下がっていった。 そんな小さな刺激すらつぶさに拾い上げていく淫らな身体は肩を跳ねさせる。 これから起こる事を期待してしまう。 「ぁ…」 「遥登、そろそろ準備しても良いか」 狡い。 首筋に顔を埋めているのを良い事に鼓膜に、三条の好きな低くて甘い声で囁いてくる。 耳が溶けてしまいそうだ。 えっちで優しくて、愛情に溢れている。 回した腕に力を入れ微かに頷いた。 「温感といつもの、どっちが良い」 「………普通の」 「温感は気に入らなかったか? ま、まだ冬だし、これもまた使おうな」 蓋の開く音に続きそれを手に絡める粘着質な音が聴こえてくると、心臓は痛い位に早鐘を打つ。 今からセックスをする。 長岡とセックスをするだ。 何度もしてきた行為だが今だ慣れる事はない行為。 汚くて愛おしい戯れ。 「触んぞ」 「…っ」 長岡の脚を跨いだ状態だと後孔に触れやすく、なんとも無防備だ。 パンツと下着を汚す事も構わずローションに塗れた手が入ってきた。 冷たくて大きな手が肉付きの悪い尻、その真ん中をすーっと撫でる。 そして、アナルにトンっと触れた。 「……っ、…」 わざとらしく縁をなぞりローションを塗ったくっていく。 こ、れは、正宗さんの手が冷たいから…… もどかしくて腰を揺らしてしまいそうになるのを必死に理性で押さえ付ける。

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