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第432話
ローションが指を伝いタオルに糸を伸ばす。
三条の様子を伺いながらぐりぐりと指を動かしていた長岡はタオルの影から何かを取り出した。
首に顔を埋めている三条は気付かない。
「ローション注ぐから、あんま力入れんなよ」
「は、い…」
キツくしがみ付く三条は呼吸を整え不要な力を抜こうと努める。
ピタリと孔に何かが触れると呼吸に合わせ入り込んできた。
「ひぅ…っ」
だけどそれはローションボトルじゃない。
もっと細くて…。
分からないけどボトルノズルではないのだけは分かる。
小さな衝撃が走るとそれはすぐに抜かれた。
「な、に…」
「リューブシリンジ。
この前、今度使おうなって言ったろ」
リューブシリンジとは一体なんだと顔を上げると、今さっき使われたであろうそれが長岡手によって目の前に掲げられていた。
かぁっと身体中が熱くなる。
「これがリューブシリンジな。
奥まで簡単にローション仕込めるだろ。
遥登も使って良いからな」
鼓膜に吹き込まれた、その声にゾクッとした。
男の…絶対者の声だ。
いやらしくて色っぽくて……サディスティック。
「…っ!?」
惚けていると、アナルが期待し口を開けた。
そこから垂れるローションに慌てて声を出さない様に手で口を覆う。
目を細め楽しそうな目で見下ろされ、下っ腹がジクジクと痛む。
「ほら、続きすんぞ。
ローション垂れても気にすんな。
まだ沢山あるからな」
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