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第446話
遥登とも、そういう関係を築けていたら嬉しい。
勿論、恋人としても男としても1人の人間としても三条の事を尊敬している。
憧れにも似た感情だって持っている。
どんなに近しい関係になっても決してなあなあにせず甘えず、礼儀を守る。
いつもにこにこと一緒に居て楽しい。
あたたかな気持ちに満たされ、笑顔に癒され、背中を押され、大きく成長出来る。
考え方はもっと柔軟になり、教師として少し自信も付いてきた。
まだまだ色んな事を生徒達から教えて貰って大きくなりたいと、らしくない事を本気で考えるんだ。
「遥登は犬だよな。
賢くてでっかいやつ」
「俺の方が大きいなら正宗さんの事を守れますね」
「おいおい、猫の本気知らねぇのか。
柏も蓬もハンターだぞ」
「ハンター…」
清く正しく美しく生きる姿をもっと見ていたい。
例えるなら、泥中の蓮だ。
後ろを追い掛けてくる恋人に恥ずかしくない様に生けなれば。
それが礼儀だろ。
「蓬がでっけぇ溝鼠持って帰ってきた時は引いたぞ」
「…それは、蓬ちゃんには悪いですけど引きます…」
「柏も今じゃおじいちゃんだけど、若い頃は部屋に入ってきた蝉とか捕まえてたんだ」
俺は、もう家族だと思ってるけどな。
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