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第447話
餅も食べ終え腹が膨れた。
腹持ちも良いし、たま食べると美味い。
三条が食べてくれれば
食欲が満たされ、あたたかな室温と心地良い空気にうとうととしてきた。
三条の気配がすると落ち着く。
性欲、食欲の次は睡眠欲だ。
この欲求には勝てない。
少しだけ…とソファに横になり目を閉じると睡魔が優しく抱き締める。
試験勉強していた三条が気が付いた時には、ソファに横になり本を読んでいた筈の長岡は寝落ちていた。
文庫本をのせた腹がスースーと気持ち良さそうに上下している。
定位置から長岡の隣に移動すると本をそっと引き抜き、代わりにブランケットを腹に掛けた。
風邪でもひいたら大変だ。
「正宗さん」
腕に頬をくっ付け聞こえない様に名前を呼ぶ。
それだけで何かが満ちていく。
いつも優しく抱き締めてくれる腕は睡眠中でいつもより冷たい。
冷たいけれどあたたかい手に、自分のそれを絡め恋人繋ぎをした。
「正宗さん、大好きです」
こっそりと告白の練習をし、寝顔を堪能した。
綺麗な睫毛も、染められた髪の毛もこんな近くで見られる。
贅沢だ。
いつの間にか襲ってきた眠気に大きな欠伸をする。
「正宗さん」
手を繋いだままとうとうとと微睡み、セックスで体力を使ったせいもあっていつの間にか眠っていた。
きっと床で寝てしまって長岡はすごく心配するんだろうが、もう夢の中。
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