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第451話

漸く試験も終わって解放感が襲う。 鞄に筆記用具を片付けながらこれからの事を考えた。 繁華街の本屋にでも寄ってから帰ろうか。 大学近くの甘味屋でどら焼きでも買って食べようか。 考えるだけでわくわくする。 ぞくぞくと人が排出されるのを横目に見ながら次の電車の時間を確認しようとスマホを取り出し人波が引くのを待つ。 「三条くん、この後未知子とチョコレート買いに行くんだけど一緒に行かない?」 リュックを担いだ三条を止めたのは知佳ちゃんだった。 「俺、邪魔じゃない?」 「そんな事ないよ。 三条くん、チョコ好きって言ってたでしょ。 今、限定販売してるのもあるしどうかな」 そうか。 もうバレンタインの季節なのか。 長岡へのプレゼントを買いに行きたいのは確かだ。 それに女の子と一緒だと視線も和らぐし、早目に見ておきたい気持ちもある。 でも本当に邪魔じゃないだろうか。 2人も会うのが久し振りだったりして。 いや、知佳ちゃんも未知子ちゃんもそんな子じゃない。 これはお愛想ではなさそうだ。 少し考えてから頷いた。 「じゃあ、お言葉に甘えて俺も行っても良いかな」 「うんっ。 じゃあ、未知子に連絡するね」 随分と伸びた髪を揺らしながら知佳ちゃんは頷いた。 吉田が見たら喜びそうに可愛い。

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