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第454話

「おいしー」 「美味しいね」 開店して間もないアイスクリーム店は認知度と新店舗という事もあって列が出来ていた。 普段あまり流行りにのらない三条だが、優登が行きたいと言っていて覚えていた店。 今度は優登も誘わないと不貞腐れてしまいそうだ。 マフラーを巻きながら冷たいアイスを食べるなんて身体の芯が冷えたら意味がないと言われそうだが、それでもアイスは美味い。 「三条くん、美味しいね」 「うん。 美味しいね」 友達と過ごす時間はかけがえがない。 当たり前にそうして過ごせる事に感謝を忘れてはいないとふと思った。 「こんな美味しいんだから太るのは仕方ないよね」 「アイスは溶けるから0カロリーだよ」 「なにそれ…」 本当はここに、田上と吉田もいてくれたらもっと楽しいのにな。 慣れすぎた3人での行動が時々懐かしくなるが頑張る友人は格好良い。 それに、会えなくとも友達だ。 それは絶対に揺るがない。 「春休みは吉田くん達とも遊びたいね」 「うん。 遊べたら良いね。 ね、三条くん」 「うん」 学生でいられる時間はあと3年。 今のうちに沢山田上と吉田と沢山思い出を作りたい。 頑張る気力になるだろ。

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