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第456話

……もう春休みか 暇だな もっとがっつりと勉強したい三条には少し物足りない後期だったらしい。 試験用の参考書を購入したり、資料になりそうな本を長岡から借り読んではいるが暇は暇だ。 そんな三条の在宅に嬉しそうな顔を見せるのは、 「うーっ!うーっ!」 末っ子の綾登。 「どうした? 麦茶飲むのか?」 膝の上に行きたいとはいはいをする綾登に穏やかな笑みを浮かべ見守る兄。 母親も綾登に付きっきりにならずに済み、家事に手を付けられると言っていた。 ま、綾登と居られる時間増えたって考えれば良いか 保育園行くようになったらこんなに一緒にいれないしな 抱き上げ希望通り膝に乗せると嬉しそうに笑いはじめた。 細い髪を弄くりながらその様子を眺めているだけでしあわせだ。 優登も勉強だけじゃなくお菓子作りの為に本を借りたりネットを見たり今まで以上に活動的。 母も育休中で自宅にいるし食べてくれる人がいるお陰でメキメキと上達していた。 近くに居すぎて見えなかった事が長期休暇になるとよく分かる。 「麦茶な。 ほら」 「あぶー」 「パンパンマン観るか?」 至れり尽くせりの綾登は小さな王様。 王様の近くにいられるのは光栄だ。

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