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第460話
楽しそうに笑う無垢な笑顔。
今年成人するとは思えない幼い笑い顔だ。
大人びて男らしくなってくる時期だが、はじめて会った時と差ほど変わらない様にも見える。
毎日会っていたから、頻繁に会っているから分からないのだろうか。
「春が待ち遠しいです」
「夏は花火も見ような」
「はい…っ」
だけど、変わらぬ笑顔は今日も穏やか身を包み込んでくれる。
ぽかぽかとあたたかくなる。
この感情がしあわせ、なのだろうか。
はじめての感情だ。
だけど、とても心地良い。
そっと手を伸ばしあたたかい頬を触れる。
そして、コーヒーの味のする唇にキスをした。
自分のとは違って甘い味。
ゆっくりと顔を離すとテレビを観て油断していた三条はぽわっと頬を色付かせ、でも嬉しそうにする。
ほんと、これだからやめらんねぇんだよな
ふへっとだらしなくなる頬の筋肉に触れながらもう1度顔を近付けた。
「遥登、口開けて」
「…ぁ」
「良い子」
チロッと覗く舌に舌をくっ付け恋人同士の深いやつをした。
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