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第463話

またキスをされて息が出来なくなる。 キスは好きだけど、息が出来なくなるのはなんとかしたい。 だって長く出来ないだろ。 正宗さんは息の仕方教えてくれないし、そんままでいろなんてからかうし。 ……まぁ、構ってもらえるの嬉しいけど。 「い、き…」 「出来ねぇ?」 ぺろっと唇を舐められ、また息を止める。 「かわい」 「だって…、どうするのか分からないですし……」 「そんままでいろよ。 俺が興奮する」 ほら、またそうやって甘やかしてくれる。 清潔を取り戻した身体を冷たくて大きな手が撫でた。 シャワーで火照った身体にそれは気持ち良くて、もっと触って欲しくて腕に触れると長岡はふと口元を緩めた。 時々みせるこういう表情、なんて言葉で表すのか分からないけどすごい愛情を感じる。 鍾愛、寵愛、似ているけど違う。 もっと深くて大きくて、あたたかくて、しあわせな気持ちになる。 もっと言葉を知りたい。 長岡に沢山の気持ちを伝えたい。 大好きとか愛してるとか、ずっと隣にいて欲しいとか。 どうしたらこの言葉で表す事の出来ない気持ちを伝えられるんだろう。 もっと長岡から沢山の事を教わりたい。 首を伸ばし、唇に自分のそれを押し当てた。 ありったけの想いが伝わる様に。 「本当、たまんねぇ」 「俺だって、やれば…出来ます」 「大変よく出来ました」 ご褒美のように与えられる恋人のキスを受けながら、そのキスの仕方をしっかりと頭に叩き込んでいく。 ……叩き込めたのは最初だけなのは、正宗さんのキスがやらしいから。

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