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第467話
それを期待して去年より個数の多い物を選んだと言えば恋人はどんな反応をするのだろう。
包装を解きチョコレートを見せるとぽわっと三条が色っぽくなった。
キスを期待してだ。
ほんと可愛い奴
ま、遥登キス好きだしな
「口開けな」
ニヤけそうな口元を抑えチョコレートを口にした。
こんな悪い大人に捕り色んな事を教え込まされ純粋無垢だった高校生は、すっかり色気を振り撒いている。
いや、まだこんなの序の口だ。
きっと末恐ろしい事になる。
薄く開かせた口にチョコレートを押し込む。
「…ん…ん…」
舌で押せば反射で三条も押し返してきた。
口の中で溶けるチョコレートに、三条まで溶けていく。
ごくっと嚥下音に口を離すと三条の舌が唇をなぞった。
少しチョコレートで汚れているのがなんともえろい。
無自覚にするなんてタチが悪いが、嫌いじゃない。
寧ろ好きだ。
「おかわり?」
「…はい」
恥じらいながらも素直な三条にまた1つチョコレートを運ぶ。
とろりと中から溢れるのは、フルーティーな梅酒。
三条の好きな物だ。
三条にしては口の中で動く舌が口の中の酒を舐める。
辿々しいが丁寧に舌を舐める三条がえろくて止まらなくなりそうだ。
今度は味がしなくなるまで後頭部を押さえ付け口を離さずいると苦しそうに鼻にかかった声をあげた。
この声も加虐心を擽られて好きだけどそろそろ本当に苦しそうだ。
口を離すと三条の唇は唾液で濡れている。
「どっちがバレンタインのプレゼントかわかんねぇな」
「…?」
「ほら、次」
飯の前なのにとまんねぇ。
折角作ってくれた料理が冷めると分かっていても。
全部美味しく食べるから許してくれ。
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