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第471話
風呂掃除は三条が先に済ませていてくれたため、2人並んで食器の後片付け。
背丈の高い長岡は釣り戸棚の1番上に皿を片付けていく。
シンク下は使いにくいが収納を余す所なく使えるのはとても便利だ。
隣でサラサラした髪を揺れる。
16歳の頃と比べると随分と成長した背丈。
さっき食べた筍みたいにぐんぐん伸び、まさか180後半になるなんて思いもしなかった。
背伸びをしてキスをしてくるの可愛かっ…、今も充分可愛いな。
「今日、泊まるか?」
「え…、良いんですか…?」
「勿論。
まだバレンタインデーだろ。
きちんと親御さんに連絡しとけよ」
「はい」
急にそわそわしだし三条は手に持った皿を見てから長岡を見、また視線を皿に戻した。
1つ頷き長岡に皿を手渡す。
指先が触れるとバッとこちらを仰ぐ。
なんともまぁ、可愛い反応だ。
意識してくれてるんだな。
「んな緊張すんなよ」
最後の皿を戸棚に仕舞い、扉を閉めた。
そのまま、するりと腰を抱き耳元に唇を寄せる。
「ここでシたくなんだろ」
清潔なにおいのよく似合う模範的な優等生。
そんな恋人をからかうのはとても楽しい。
襟刳りから覗く首元まで真っ赤にする三条にとうとう笑みが我慢出来なくなってしまった。
クスクス笑いだすと三条はからかわれた事に気付き、またからかったんですねと小さく抵抗してくる。
そりゃ、こんな反応されたらまた見たくてからかうだろ。
「半分本気」
赤くする頬にちゅっと軽いリップ音を響かせ夕食の後片付けを終えた。
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