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第476話
鏡を見ていた筈なのに、いつの間にか視線は落ち排泄の我慢でいっぱいいっぱいになってしまっていた。
無意識の内にキツく手を握ったり額を鏡に擦り付けたりなんとか気を紛らわそうとするも効果はない。
「も…や、ばいから…。
トイレ…貸してください」
「んー、そうだな」
「ぅ"、…お、したら…ほんとに……」
ギュルル…
腸が早くと音をたてて騒ぎだす。
このままじゃ本当にぶっかけてしまう。
綺麗な恋人を汚してしまう。
背徳的で、ゾクゾクする…。
顎を捕まれ強引に鏡に向き合わされると視線が絡んだ。
サディスティックで男くさくて、あの目で見られるとなんでも言う事をききたくなる。
それを止める理性はまだしっかりとあるが、この目で見られると弱い。
「なんでも、しますから…」
「なんでも?」
一所懸命頷いた。
せめて最初の排泄だけはトイレが良い。
多少の事なら頑張るから。
「遥登からキスしてくれよ。
舌入れて、えっろいやつ」
「…は、い」
なるべく腹を刺激しない様にゆっくりと振り返り長岡と向き合う。
逞しい身体を目の当たりにしてドキドキと心臓は五月蝿いし緊張する。
やっぱり抱かれたい身体をしてると思う。
本ばっかり読んでるのは同じなのに。
「目、閉じてください。
それから…口、開けて欲しいです…」
素直に従う長岡の唇と自分のものを、ちゅぅっと軽く触れ合わせる。
一旦口を離すと呼吸をし、またくっ付けた。
形の良い唇を舐め口が開いたところでゆっくりと舌を入れる。
すぐに長岡のそれと触れヌルヌルした感触に顎をひいてしまう。
何度経験しても人の舌を舐めるなんていやらしい事慣れやしない。
…………嫌いではないけど。
さ迷う手を首にかけるよう誘導され、露になったままの股間も触れ合った。
いやらしくてクラクラする。
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