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第478話

たった1本の指が、大きな身体を翻弄している。 いつも見ていたあの指。 黒板に向かってチョークを持っていたあの指が体内にある。 そんなの、恥ずかしいに決まってるだろ。 それでもその身体は健気に恋人にキスをし続けていた。 健気で従順で、愛おしい。 「ハァ…もっかい……」 濡れた唇が妙に艶っぽくて中にもドキッとする。 学習能力の高さを思い知らされる舌の動き。 だが、震える睫毛がそれは頑張ってしている事だと教えていた。 「…は……ハァ…正宗さん…」 「んー?」 「きもちい、ですか…?」 「あぁ、すげぇきもちい」 良かった、と微笑む三条に長岡からもキスをした。 触れるだけの軽いもの。 いつもと反対のキスに三条はどんどん色っぽくなっていく。 あんなに無垢だった生徒は今やこんなに大きくなり淫らな事も沢山覚えた。 悪い事をしているようで─実際悪い事なのだが ─興奮する。 「…もっとします」 時々聴こえるリップ音。 蠕動運動をする腸壁。 淫らな空間で恋人とキスを交わすしあわせを2人で分け合う。 飲み込みきれない唾液が顎を伝い落ちていく。 「…すき、です」 キスの合間の可愛い告白。 長岡は浴室のドアを開けるとバスタオルに手を伸ばし、それを三条の肩にかけた。 今度はなんだと見た先にはさっきと変わらぬいやらしい笑顔。 「1回目だけな」

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