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第502話

眠い。 揺さぶられる度に頭がカクンカクンと揺れる。 「あ…あ"……ァ……」 「トんだか?」 焦点の合わなくなった目を覗かれ微かに理性が戻ってきた。 長岡の男くさい顔が視界いっぱいを支配する。 今、この人とセックスしてる。 快楽の為のセックス。 気持ちが良い。 心も、身体も。 「遥登、好きだ」 おれも 「遥登…はる……」 まさむねさん 何度も何度も名前を呼ばれた。 何度も、名前を呼び返した。 言葉になってはいなかったと思うが、呼んだ。 長岡は意識がトんでからも沢山名前を呼んでくれていた。 だがら、安心するんだ。 意識をトばすギリギリの所にいてもこわくない。 「はる…愛してる…」 それからも、ぐちゃぐちゃに交じり合った。 どちらのものか分からない体液は泡立ち結合部を、長岡の陰毛をも汚す。 だけど決して汚くはない。 「はる、と」 掠れた声。 体内で一層膨らむ陰茎。 「ぅあ…、あ"……ァ……ま、…ま"」 「…く、」 まだバレンタインの甘い空気が残る寝室で長岡と欲に溺れ続けた。

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