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第512話
「おー、すげぇ。
久し振りに見た」
土管工のおじさん、もといお兄さんを見て長岡は本当に久し振りだと遠い目をした。
お兄さん、だってこのキャラクターは長岡より年下だ。
このお兄さんをおじさんと言ったらより年上の長岡もおじさんになってしまう。
長岡は若々しくて格好良いお兄さんだ。
決しておじさんなんかじゃない。
小さい頃は30歳なんてすごく大人に見えたけど、長岡は子供心を忘れておらず良い意味で大人っぽくない。
「ん?
どうした」
「いえ、楽しみです」
「来月発売の無人島も買うか?」
「はい。
そのつもりです」
「無人島で青姦も良いよな。
遥登、露出の気あるし燃えそ」
「なにっ、を…言ってるんですか。
動物が居るに決まってるでしょ」
「発展場かよ」
なんで長岡はそっちにも頭が回るのだろう。
折角の良い頭が勿体ない。
でも、それ以上そういう事は言ってこないし単に構ってくれてるだけなんだろうな。
構って貰えるの嬉しいし。
ちら、と見上げた先でもう真剣に画面を見ていた。
「遥登はなんにすんだ?
先に選んで良いぞ」
「あ…じゃあ、これで」
「んじゃ、俺はこれな」
爽やかに微笑む恋人にきゅんとしながら、はじめて一緒にゲームをした。
まだ沢山のはじめてがあるのが嬉しいと三条はずっとにこにこしていた。
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