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第511話
「でも、珍しいですね。
正宗さんってあんまりゲームのイメージなかったです」
「あぁ、子供ん頃は普通にゲームもしてたけどな。
ゲームも楽しいけど本読むのはやめらんねぇし……これで良いのか?」
初期設定を終えたゲーム機を三条に手渡し、インターネットに繋げる為ルーターを確認しにいく。
ついでにテレビ画面でやれるようにそっちも設置しよう。
「遥登の話聴いてると楽しそうだからな。
俺ともゲームしてくれよ」
「はいっ。
勿論です」
「春休みこの部屋来たらしてて良いし、レベル上げしててくれると助かる。
番号読むぞ」
「任せてください」
「g…」
やりなれた操作をササッとこなす三条。
こうしてちゃんと子供をしている姿を見ると安心する。
優等生、大人びた印象が強くストレスを貯めているのではと心配もあるが、きちんと遊んで発散しているのならそれに越した事はない。
随分と懐き甘えるようになってくれたのも嬉しい。
長男のせいかしっかりしていて所謂手のかからない良い子だ。
そんな子が自分の前では甘えるなんてたまんねぇよな。
屈託ない笑顔の隣に座り手元を覗き込むとすべての設定が完了していた。
「うし、やるか」
「はいっ」
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