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第515話

三条のリクエスト通りのチャーハンと中華スープ、市販品のエビチリと生春巻き。 あたたかな湯気のでるスープに少しだけ胡麻油を垂らすとなんとも食欲を刺激する香ばしいにおいにさっきから三条の笑みが止まらない。 「エビチリも美味しそうです」 「美味そうだろ。 春雨サラダも食いたかったんだけど、売ってなくてな。 遥登、今度作ってくれるか?」 「はい。 勿論です」 食べる事が好きというのを除いても、大好きな人と食べる食事は美味しい。 心も充たされる。 台所からローテーブルへ皿を運ぶ動作1つとっても、ありふれた光景になったのが嬉しい。 休日のこの穏やかな時間のお陰で頑張れる事が沢山ある。 「先に向こうに運びますね」 「頼むな」 盛り付けの終わったチャーハンや惣菜の 配膳が終わると長岡は綺麗に洗ったマグと麦茶の入ったポットを手に漸く腰を下ろした。 「待たせたな」 「いえ、麦茶ありがとうございます」 「どういたしまして。 あったかいうちに食おうな」 だらりとしていた背中を伸ばして長岡は手を合わせた。 三条も、長岡や作ってくれた方への感謝を忘れずに手を合わせ挨拶をする。 「いただきます」 「いただきます」

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