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第523話

良いところまで読み終わり、コーヒーを飲んでいると肩にブランケットがかけられた。 これはさっきまで長岡の腹にかかっていた物…と見上げた先から手が伸びてくる。 一口くれ、とマグカップをとられゴクゴクと上下する喉仏が色っぽい。 「喉乾いてたんだよ。 ありがとな。 そろそろ昼寝するか?」 「寝れますか?」 「あぁ。 余裕」 「若いですね」 遥登が言うか、と笑う長岡は格好良い。 「昨日もあれだけして朝も早く起きたんだから眠くねぇのかよ」 「それは…」 「ゲームでも良いぞ」 ゲームも楽しい。 でも、もう少しだけ長岡に触れたい。 くっ付いていたい。 「寝ます」 「んじゃ、隣行こうな。 そのままで良いから、ほら」 テレビだけ消すと隔てる扉も開けっぱなしで昼寝をする。 お互いの心地よい体温にうとうとするのは早い。 良いにおいに包まれころっと寝落ちた三条の髪を梳く長岡は手はとても優しく暫くそうして撫で続けていた。

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