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第526話

風呂から出た足で冷蔵庫へと向かい、冷えた麦茶のポットを取り出す。 三条がいなければ男の一人暮らしといった生活を送る長岡は、ポットの蓋を開け残りわずかなそれをそのまま煽った。 あー、うめぇ 髪から落ちる雫はタオルに染み込み首元を冷やすが、湯上がりにはそれが気持ち良い。 帰宅して冷えた身体をあたためる為に少し熱いシャワーを浴びたが思っていたより身体があたたまった。 1人になった部屋は広くて冷えるが、彼方此方に残る笑顔がそれをあたためてくれる。 並んだマグカップは一切使わずに麦茶を飲みきるとシンクに置き、髪を乾かして寝室にでも行くか。 洗いのは明日の朝にでもすれば良い。 三条が読んでいた本がそのまま机の上に三条のにおいの残るベッドで眠りについた。

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