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第527話
炬燵に入ってぼーっとテレビを眺めている三条はまるで歳をとった錯覚に陥る。
綾登と母親は和室で昼寝中。
小さな大怪獣の寝静まった部屋はとても静かだ。
すげぇゆっくり時間が過ぎてくな
老後ってこんな感じなのか…?
すっかり冷めたお茶を飲みながら再放送のドラマを観ていると、平和だなとしか思えない。
目の前に転がる蜜柑を剥いて1つ口に放り込んだ。
甘くて少し酸っぱい。
皮に顔が書いてあるのは午前中にこれで綾登と遊んでいたから。
もぐもぐと口を動かしながら、暇だ…と勉強道具に手を伸ばしパラパラと参考書を捲る。
高い目標に並ぶには沢山の事を勉強しなければ。
もっと沢山の事が知りたい。
最後に解いたページを見付けた三条はシャーペンをノックしながら目を通していく。
古典の魅力に填まったらもうどっぷりと浸かり、今は古典作品を読むのが楽しい。
もっと読みたい欲が知識を求め、知識を付けると面白さをより深く知れる。
長岡から教えてもらったロマンはとても魅力的で、まだ粗削りだけどそれが楽しい。
もっと、もっとを求めるのは目標が高いからだ。
そこから見える古典の世界はどんな世界なのだろう。
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