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第531話

「んんー」 ご機嫌で夕飯を食べる末っ子は今日も美味しいとご機嫌だ。 次男は隣の席の兄と学校での出来事を話してご機嫌。 父は母と息子を見てにこにこと笑っている。 食卓を囲む全員がにこやかで三条はそれが嬉しい。 長岡との食事も楽しいし美味しいが、家族とでもそうだ。 土日祝日は殆んど家族と食事をしなくなったのでこうして平日の家族団らんを大切にしている。 「綾登、お魚美味しいね」 「あー、」 「美月ちゃんのご飯はなんでも美味しいよな」 三条は漸くありつけた、ぶり大根を頬張りながら楽しそうな声を聞いていた。 祖母の育てた大根はよく味が染みていてとても美味しい。 力強く地面に根を張る根菜は食べていて元気が貰える。 「明日はおでんだって。 綾登はうどんだぞ。 良かったな」 「うー?」 「俺も、うどんも食いたい」 「分かったから、ゆっくり食べてね。 ご飯つっかえるよ」 「そんな子供じゃねぇよ…」 ブスッと顔をしかめされた優登は大人扱いされたい年頃らしい。 反抗期ってなんだか可愛いなと思うのは自分のそれが終わって落ち着いたからだろう。 本人は意味もなくムシャクシャしたりイライラしたり大変なのは分かるが、きちんと成長している証拠だ。 気に病むことはない。 「兄ちゃんまでニヤニヤしてるし」 「してねぇよ。 元からこんな顔」

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