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第532話
そういえば、正宗さんの反抗期ってどんなだったんだろう
尖っていたのだろうか。
でも蓬を家族にしたのは高校生の頃らしいし、その頃には落ち着いていたのだろうか。
高校生の長岡はぼんやり想像出来ても、中学生の長岡は想像が難しい。
得意な教科は国語だろう。
本を読むのが好きなのはいつから。
背が伸びたのはいつ頃。
勉強以外で頭を悩ませるのは恋人だ。
優しくて格好良い大人の恋人しか知らない三条は、祖母の漬けた白菜の漬け物を噛み締めながらぼんやりと考えた。
正宗さんだって綾登みたいな時もあったんだよな
当たり前の事なのに、なんか想像しにくい
豆腐とわかめの味噌汁を啜りながら、隣の反抗期を一瞥すると美味そうにぶりを頬張っていた。
こんな無邪気な子供時代があったのだろうか。
「兄ちゃんもおかわりいる?」
「え、あぁ。
じゃあ、お願いしようかな」
2杯目のおかわりをよそいに行く為腰を上げた次男に茶碗と手渡すとそそくさと台所へと消えていった。
正宗さんの中学生姿見てみたい…
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